Be More Chill日本公演を見た

 7/25,28,30,31,8/1,4,6,6,7,9,20,20,21,28の全14公演を見ていました。どういうことですか? 日本公演自体は全30公演あったらしいです。どゆこと???? まぁBWとかWEに見に行くより安いし誤差っしょ!(誤差ではない)
とりあえずめちゃくちゃよかったんで再演して。訳詞と演出そのままでキャストはフルオーディションで。
 

More Than Survive
 体ガッチガチのJeremy、全然オタクじゃなくて笑うんだよな。デ・ニーロとかジョー・ペシまでそのまま訳してくれて平伏しました。あと概ねMichaelしか見れへん。重心ひっくいMichaelマジで可愛いな。ちっこいMichael Mellは今まで散々ファンアートで見てきたけどガチでちっこいMichaelが出てくるとは思わんのよ。だがおれはWEのふわふわのめるをすでに接種していたのでちっこいめるを見てもギリギリ形を保てていた。バスのところでJakeが「急ブレーキすんなよあぶないだろ!」みたいに運転手指さしてたの芸が細かくて好き。あと教室に皆が集まってくるシーンでChristineが教室に入る→Richが手を振る→Christineが手を振り返す→Richが振っていた両手を中指だけ立てて「ギャハハ~!」みたいな顔する→Christineが「ぎょえ~?!」みたいなリアクションする→皆席に着く、の一連がすごい好き。その後ろで一人でドセンに座るMichaelはもっと好きだよ。一人だけ横揺れが大きいんだよな。
 スラッシーがフラペチーノのなってるの滅茶苦茶笑っちゃったんですよね。突然スタバになっちゃったよ。まぁ実際持ってるのはアメリカのセブンのスラッシー容器だったのでわかり易さ的に「フラペチーノ」になっただけでMichaelがスタバに行ったわけではなさそうなので安心しましたが……あと結局Negimakiの解釈は謎のままだな……(Brooke役の方がTwitterに上げてたイラストだとかっぱ巻みたいなSushiが書いてあったが果たして……)。あと”My mothers would be thrilled!”も「母さんたち超喜ぶよ~!」そのままでマジで嬉しかった。ただ「母さんたち」だと「Michaelのママが二人いる」までは確定的でないので日本語の限界を感じた(実際「母さん達」が「JeremyとMichaelのママ」を指していると思った人もいるようなので)。
 ”Well, that was smooth / Yeah, that was super pimp / My Mac Daddy game couldn’t be more limp”を「どんだけイケてないんだ オシャレなトークはどこだ」に訳したあたりからマジで訳詞のセンスがバチバチ光ってた。あえて事実と逆に言ってるところをストレートに訳すのなかなか怖くてできんて……。
 Christineのリフトがなくなってインビジブルエアーになったのは、単純にブラケットたちがリフトに飽きたかららしい(アフタートーク情報)。飽きたから?!?!!!! 結構頑張ってRichJakeChristineの三人でリフト練習したのに「やっぱやめるわ~」ってなった様子。可哀想。

I love play rehearsal
 「初めてなのね」とか「初めてってずっと忘れないわ」もvirginじゃないからちょっと分かりづらいよな~と思いつつ、Christineのエキセントリックさとキュートさがうまい具合に表現されてて良かった(そしてStephanie Hsuのエキセントリックさのヤバさを改めて思い知る)。あとChristineの靴、最初黒のラメだったのが東京初週前半でピンク地に黄緑の紐のシューズに変わっちゃったんだけどあれやっぱり幻覚じゃなくて滑っちゃって大変だから変えたらしいですね。
 でもなんでADDからADHDに変わったん? これもわかり易さ重視だろうか(The Smartphone Hourも最初はクスリじゃなくてマリファナが残ってたらしいので)。

More Than Survive (Reprise)
 福岡のアフタートークでJake役の人が「JakeはChristineじゃなくてChristineが演じてたジュリエットを好きになったんだと思う」と言ってて、成程そういう解釈あるのか~と思った。Jakeに注目して見てみると、MTSの時点でChristineに声掛けようとするんだけどChristineは本に夢中で気づかないし、ここの劇場に入ってくるシーンでもChloeと話しながら入ってきたのにChristineを見つけた瞬間ほっぽって隣の椅子に座ってるんだよね。可愛いね。あとはここで履け際Jakeがエアバスケシュートする(ブラケットに大ウケしたらしい)のを真似するJeremy、あまりにも下手すぎて盆踊りですか? って感じになってるの可愛かった。

The Squip Song
 Richのいじめっ子の演技の気迫マジですごくてこんなん目の当たりにしたら泣いちゃうな……と思うなどした。「手に入れた スクイップ」「救いを手に入れた?」は本当天才だと思う。
 東京初週、曲後半でCanonicoがオクターブ上げて歌う所が上がらなかったんだけど(そりゃああんな歌い方ができる奴はそうそういない)、それだけでこの曲が滅茶苦茶パッとしない曲になっちゃってビックリした。こんなに記憶に残らない曲だっけ?! という感じ。ただ二週目からはこのオクターブ上がる所を上がりはしないけれどもかなり勢い付けて歌うようになったのでその印象は薄れた。個人的に一番Rich役の人が色々なところで演技工夫して改善に繋げてたな……と思っている。Voices前のLispとか。

Two-Player Game
 ”You are cooler than a vintage cassette”という独自のクール理論を「お前はレアなお宝だ」と滅茶苦茶わかりやすく表現してくれるの親切だな……。
 Mr.Heereに「ピザを取ろうと思うんだが……」と言われて秒で嬉しそうな顔するMichael→何頼もうかな~という顔をするMichael→親子喧嘩の気配を察して固まるMichaelが可愛い。一番最後のラスサビのところで、両手を体の横で外に向かって水平に何度か突き出す→そのまま腕の形は変えずに手をピヨピヨしながらばたばた一回転する→片腕ずつ後頭部に手を当てて低重心で腰をぐるぐる回す→Jeremyと大回転すMichael、可愛いね。Paylessに行く途中でタトゥーのある右腕を出したままなのに気づいてちょっと見てから袖下ろすのも可愛いよ。
 SQUIPを飲んだ直後の台詞、「たった今小遣いを全部ウィンターグリーン味のミントに使ったっぽい」だったんだけど、TicTacがなくなるのはまぁ分かるとしてバル・ミツワーがなくなるのは結構ショック。Jeremyの数少ないユダヤ系要素が消えてしまった……。あとその後のSpencer’s giftに行くMichaelの移動方法がドタドタしてて可愛いし「ゴースト味!」も上体反らして言うので面白い。でもスマホを見るってシーンがWEからなくなったのはやっぱりわかりにくいんだよなぁ。スマホ見る一手間がないとマジでMichaelが急にエクトクーラーのこと思い出すので唐突なんだよね。

The Squip Enters~Be More Chill – Pt. 1
 SQUIP、音圧がやばくて最初の「カ・カ・カ・カ・カ・カモン」のカの時点でズン……て力を見せつけてくるので気持ちいい。そしてBe More Chilが「もっとチル系に」で訳されてて初日の僕は「今までの懸念なんだったん!?!?!?!!!」となりました。教育番組で顔張ってた人間に毎公演「オナニー野郎」と言わせる作品、業が深えな。いやまぁ個人的には世代でないので横山だいすけの印象はもう顔芸SQUIPなんですけど。Betaを「一般人」と訳したの本当に好き。

Do You Wanna Ride?
  Brooke歌がうめ~~んだ。最後のPinkberryで毎回違うフェイク入れてくれるのが楽しみで仕方なかった。これで御年19歳なんですか? ホェ~……そして日本BMCが終わるとともに日本Pinkberryも完全撤退してしまった(日本公式サイトすらヴィーナスフォート店閉店のニュースが最終更新なのでマジでメンテされてないんだな)……。

Be More Chill – Part 2
 最後のverseを日本語じゃなくて「Be More Chill」にしてくれたのマジありがとう……

Sync Up
 Sync Up自体はあんまり好きじゃないんだけど、大阪公演のRichパートのRichのはしゃぎ方が本当に嬉しそうで無邪気であまりにもかわいくて悶えた。XBOXやる友達いたのかないままで……いないからコントローラー一個しか無いけどSQUIPがあればコントローラーいらないからSquippedの奴しか誘えないとかあるんかな……
 「Sync Up」というデジタル感ある用語が全部「あとで!」になっちゃったのはまぁそれはそれで悲しい。というかデジタル用語は基本的に訳出されてるところは全体的に少なかった。まぁ致し方ないとは思うけど。

A Guy That I’d Kinda Be Into
  ChloeにどやされたChristineの顔芸、好き。あとここの読み合わせの時のRichもだいたい3パターンで変遷していて、初期:やる気なさそうに座ってページペラペラしてたら今読んでるところがわからなくなってMr.Reyesに教えてもらう→中期(一番やってた時期長い):プランクの姿勢のまま顔の下辺りに台本置いて、Jeremyの乱入で崩れる→終盤:普通に立って台本持って、Mr.Reyesに確認しながら滅茶苦茶深呼吸して「よ~し次俺の番俺の番俺の「ジェイクはどこ?」お~~い!!」みたいなフリ、をやっていた。その後Jeremyの暗唱に対してもRichはJeremyの頭に指やりながら「フゥ~!」とやっており、芸が細かくて感心した。
 ボーリングの玉の下りはChristineが目潰しか浣腸か膝カックンするかの3パターンだったんだけれど、正直回を重ねる毎にボーリングの玉出産した後の下りが長くなっててちょっとグダついてた気がする。でもこのシーンだけSQUIPがJeremyの保護者ヅラしてるのは面白いんだよな。「きっとタイプの人は……」で余裕の表情で上手にもたれかかってるSQUIPも良い。あとここのBrookeが持ってるノート、多分3,4種類ぐらいあって演者の人直筆で色々イラストが描いてあってそれがもう滅茶苦茶可愛かった。駄目だよあんな男やめときな、俺がBrookeを幸せにするからよ……

Upgrade
 女子バレーボール部の映像にアクセスするSQUIP、マジでただのエロオヤジの様相で笑っちゃった。まぁSQUIPはエロスの権化みたいなところあるからな。でも東京公演終盤あたりからSQUIPが「おう早うチューせえやチューをよ」みたな顔してたのはずるいよ。
 「クロエは親友だけど、もう嫌になる時がある。いつも彼女の……」「サブキャラで?」の役が一番微妙だったかも。というか、Player one,Player twoの概念が日本語では伝わりづらいので仕方がないっちゃないんだけど、でも「サブキャラ」はPlayer Oneがいて初めて成り立つPlayer Twoとはまたちょっと違うんだよな……強いて言えば「二番手」ぐらいがしっくり来るけど、ゲーム用語に絡めたかったのかなというのは分からないでもない。Two-player Gameも「二人プレイ」であることはそうなんだけど微妙にニュアンスが反映しきれていない気もしていて、なんとも難しいね……

Loser Geek Whatever
 初週は正直ズコーな仕上がりだったんだけど、二週目後半から「そう 問題は僕だったんだ」の歌い方を変えた事によってぐっと冴えた印象になったし、LGW以外でもちょくちょくやりがちだった「両手を上に掲げて手を滅茶苦茶震わせる」動作がちょっとやり過ぎかつ何を表現している演技なのかが分かりづらかったのが公演回数重ねるごとにブラッシュアップされて、何を表現したいのかがかなり分かりやすくなっていたのが印象的だった。最終的にはベースの歌い方がLGWみたいな感情爆発曲と概ね対局の位置にある人なのでLGWのポテンシャル100%出せてたかというと微妙なところだけど、公演中にこんな月とスッポンぐらい表現力変わるんなら稽古期間もっと取ってよ~! という感想になる。実際日本の稽古期間、短すぎない? というかやっぱ初週はプレビューにすべきだったってばさ……
 だからそそWE版のショートバージョンで良かったな……とは余計思うし、寧ろBW版のフルバージョンをWill Roland以外の人間に歌わせるのはあまりにも酷だと思ってもいる。LGWという曲単体で考えればそりゃあBW版のほうが良いんだけど、でも二川版UpgradeのJeremyパートがマジで好きだったのでWE版LGWも捨てがたいんだよね。

Halloween
 なんで手拍子要求曲にしちゃったんですか?!?!!! 台詞パートが二回も挟まれるし転調もある曲なのに?!?!?!!!!!!
 
初週は手拍子が起きなかったから本当に集中して見れて良かったんだけどな……ただ手拍子する派としない派の溝は深いので、逆にキャストの方から露骨に手拍子要求があると手拍子否定派も血の涙を流しながら諦められるのでいいのかもしれない。わからない。いや舞台を見せてよ。参加型ライブじゃないんだからさ……。というか一曲手拍子が起きるパターンができちゃうと他の曲でも手拍子が起きてしまうのではないかという恐怖に常に怯えなければいけないのが一番嫌なんだよな。事実この曲とThe Smartphone hourは手拍子曲になってしまったし、一番酷いのがLGWのUpgradeパートで手拍子が起きた回が一度あったこと。それどういう情緒で手拍子してたの???? 怖いって……。Twitterで見ただけだがTwo-player Gameでも手拍子が起きた回があったらしく、そんな回にいたら嫌すぎて破裂してしまうな……と思った。マジでいっそのこと「手拍子あり回」と「手拍子なし回」で分けてチケット売ってくれ。もうこの二者が相容れることはまず無いから。戦を起こさないためにも回を分けてくれ、頼む……。

Do You Wanna Hang?
  Chloeがソロで歌うの実質これだけなのマジで惜しいんだよな。Jakeはまだ長めのソロパートがあるけどChloeソロは本当にここだけなので……。
  そして歌のお兄さんの経歴持ちをSQUIPに充てがったことで、元のセリフから一言一句変わっていない”Konnichiwa!”をそのまま「明らかに様子がおかしくなっているSQUIP」の台詞として成立させたのには感服する。このキャスティングだけは100%間違いのない正解だよ。しかもその後のお腹が空いた左足痛いの気をつけてくださいまでそのまま使うとは思わなかった……

Michael In The Bathroom
 長いよ。推しだから(Twitterで呟いたのをまとめました)。
 MitBで笑っちゃう加藤清史郎のMichael Mell、自分を自分から切り離して第三者視点から嘲笑うことが最大且つ最後の防衛機制なんだわ。
 
自分の中でのスタンダードなMichaelはGeorge Salazarが演じたもので、このMichaelは Christineに浮かれるJeremyを笑顔で応援してサインする時に背中をそっと押すし“favorite person”は笑いながら茶化すしMitBでは孤独の海に沈んで溶けていくんだけど、加藤清史郎のMichael Mellって多分ここまでJeremyに甘くない。だからMitBで彼が抱く感情は自分を捨てたJeremyに対する怒り(と捨てられてしまった自分に対する憐れみ/嘲り、これは後述)が物凄く強くて、実は捨てられたことによる孤独と悲しみは割合的に低いんじゃないかと思った。
 福岡一日目
のソワレMitB、Jeremyの捨て台詞が「邪魔するな、(軽く鼻で笑い、極軽い調子で)負け犬」って言い方で。今までは「負け犬」のところをかなり嫌味っぽく、結構重く言い放つことが多かったんだけど、福岡一日目のソワレの言い方はマジでそれこそJakeとかのスクールカースト最頂点がゴミとかホコリとか羽虫程度にしか思ってないカースト底辺に言うような雰囲気だったんだよね。これってもうMichaelからしたら12年の友情も冷める絶望じゃん? そりゃあ捨てられたことに対する悲しみも怒りに変わるわな、と。
 これが露骨だったのが最初のサビ終わりの「一人で」を歌い終わった時の息継ぎ。(次の歌詞にも繋がるので)Jeremyが消えたドアの方向である下手をキッと振り返った時の顔が本当に般若っていうか、あまりにもガチギレして限界突破して表情が一瞬消える人間のそれだったのよ。本当に怖かった。多分ヒキガエルぐらいならあの視線で殺せた。
 その後もやっぱり加藤のMitBって基本的に「鏡に映る自分を指差して嘲笑いながら涙を流す」んだけど、その端々で怒りがしょっちゅう炸裂している。
「スマホ見て立ってるよりも この方がまだましだよ」のマスク投げつけとか前述の「あいつは何してんだ?」の視線とか「置いていきやがって」の吐き捨てとか。でも「家でAV見てりゃよかった/ここから消えたい この世からも」のとこだけはなんとなく様子が違うなと思っていて、ここそれこそ初日〜4日目ぐらいまではここで露骨に泣きが溢れてたんですよ。原語からしてもここだけはMichaelの抱えるanxietyからの希死念慮がでてくるわけなんだけど、加藤の今日の演技の文脈だと「素直に悲しみに浸っていては自分が死にたくなってしまうし、かと言って心を尽くして助けようとした親友に捨てたられた怒りはあまりに大きすぎる(けれども捨てられたが故にこの怒りを当人にこれ以上ぶつけることもできず、できたとしてもカーストランクの違いから今や対等なコミュニケーションすらとることもできない)。一人で腐しててもいいけどそれでも感情に整理はつかない。
 じゃあどうすればいいか?
 自分を自分から切り離して嘲笑うことであえて第三者を装うことでやり過ごそう、自分の抱く感情全てを鏡の中の自分に預けてその鏡に石を投げて割ってやろう」なんですよ。でも結局ふとした瞬間に冷静になってしまうと一番心の深いところに押さえつけて自分で自分に隠してた感情が出てしまう、と。それで結局大麻に頼って「ジェレミーとはもう友達じゃないんで」と無関心を装う訳だよ。最大で最後の防衛機制が自己の第三者化って、もう他に何も選択肢が取れないどん詰まりの人間の選択肢じゃん………とずっとぐるぐるぐるぐる考えていたMichael Mellのオタクでした。だからMitB最後の歌詞も、Salazarの“Awesome party I’m so glad I came“はどこか諦めた調子で自嘲気味に呟く訳だが、加藤の「素敵なパーティーだ」はMichaelは心からの笑顔(と彼自身思い込んでいる)で空虚に元気に虚勢を張るわけよ。自分以外誰もいないバスルームでさ。
 あと
MitB前段のセリフについていうと、「僕はお前のことを心配してるんだ!」は東京公演と同じく怒りつつもまだ親友としての思いやりを感じられるんだよね。その後のJeremyの「僕はこれを手に入れたのにお前は持ってないのが嫌なんだろ」に対する返しが東京公演だと「はぁ?(呆れ&強い怒り)」だったのに福岡以降は「そんなわけ……!(困惑&笑い飛ばそうとする)」に変わってたのもこれがわかりやすくなっているポイント。この段階ではまだガチギレではない、という風に解釈したんだけど、これによってJeremyから「負け組」と言われることで受けるMichaelの衝撃の強さが強調されてスゲー良かったな……と思う。 

そしてなぜかMitBだけレコーディング動画が出るという奇跡がおきたので貼っておきます。

A Guy That I’d Kinda Be Into (Reprise)
 カップルイチャラブシーンなので特に感想はない。可愛かったね。

The Smartphone Hour (Rich Set A Fire)
 ま~~~~~~~じでJennaの歌が上手すぎた。見事ながなりシャウトを見せつけたかと思いきやThe Pitiful Childrenでコロラトゥーラまで披露してくるし、何? 天から四物ぐらい与えられてる?? 
 翻訳についていえば”flecked→fucked”を「野菜→ヤバい」にしたのは頑張ったな~と思うし、”He told me cause he’s my best friend!”を「親友って大事でしょ!」に訳したのはかなり思い切った翻訳だよなぁ、と思いつつ。でも😊💄🐾は♥✨💋じゃなくてあくまで元のまま頑張ってほしかったよ……海外公式垢のbioが意味不明になっちゃうじゃん……

The Pants Song
 Michaelのボングもっくもくで可愛かった。Mr.Heereっていうかブラザートムはもっとちゃんと普通に歌ってほしかった。”But I’m not what he wants/But you’re just what he needs”の歌詞が一番好きなんだけど、やっぱり音節的な問題で「嫌がられるよ/君が頼り」でMr.HeereがただのMichael便乗おじさんの印象が拭えなかったのが悔しいな……まぁそれ以上にブラザートムの演技がアレっていうのはあったんだが……。

The Pitiful Children
 一階席で聞いてると重低音がドゥンドゥン響いてマジで気持ちよかった。SQUIP連呼もしてほしかったよ~~

The Play
 Michael makes an Entrance、「さぁ出番だマイケル!」なのヒーロー感マシマシでよかったね。Chloe&Brookeの「ハモった……」で怯えてるJeremy&Michaelとか、MTD Redを指して「まだちょっと残ってる!」ってJeremyに言われた時のMichaelの「でもどうやって取るんだよ?!」の声色が「はぁ?! 無理だろこの状況で?!」みたいな悲鳴だったりして可愛かった。あとSquippedされたChristineの顔がガチで怖かった。操り人形感のある恐ろしさ。すげ~。
 アンインストールされるSQUIPが最初に叫ぶ「ジェレミー?」が完全に見当たらない飼い主を鳴いて呼ぶ捨てられた子犬の声と顔だったんだよな。そこから怒りが入って地獄の釜の蓋開いたんかみたいな声で「ジェレミー!!」と叫ぶんだけど。死に際に妙な人間味を出すSQUIP、可愛いね。あとワタシハニホンカラキマシタもそのままだったね……

Voices In My Head
 多分初週はRichの舌っ足らずが殆ど伝わってなかったんじゃないかと思う。病院シーンはまだしも、The Squip Song前とKinda Be Into(rep)後の台詞は「(舌っ足らずの演技であると伝わらず)噛んじゃったかマイク籠もったか?」と感じるほうが大きくて、病院シーンもこの舌っ足らずが笑いどころなのかそうでないのかが分かりづらかった。でも二週目以降はコツつかんだのかかなり分かりやすく聞き取りやすい舌っ足らずになってたし、病院シーンに関しては「あのヘッドホンしたコミュ障のやつ」を滅茶苦茶ふにゃふにゃ言ってJeremyに聞き返させることでギャグに昇華する、ということをやっていて上手いな~と思った。Anti-social headphone guy、ヘッドホンしたコミュ障になるのか……Anti-socialってコミュ障か? ちょっと違う気がするけど、でもまぁ体外的にはコミュ障と思われてるMichaelも可愛いのでいいか。
 Squip squadパートでJennaが毎回ひたすらエア出産してたの面白かったな……ジェスチャー的にJeremyとChristineがラブラブになったらそのうち子供が出来てさ~みたいな話をしてる設定だと思うんだけどなんなんだ……
 あとラストの「怒鳴られてもいい 僕は大丈夫」の頭を抑える振り付けが好き過ぎる。そしてこのverseからマジでずっとMichaelの追っかけしてたので14公演見たのにセンター付近でJeremyとChristineがキスしてるのに気づいたのマジで12,3公演目だった。円盤ほしいよやっぱ。二川とBWとWEと日本全部だそ。

 

~~~ここから苦言と愚痴~~~

 BMCくんやってくれたのはマジで嬉しいしほんと再演してほしいんだけど、褒めるところと同じぐらいかもうちょい多いぐらいに不満点があったので書き留めておく。

・宣伝があまりに下手
 ①そもそも情報解禁が開演3ヶ月前の4/21という謎スケジュール
 ②6月ごろに発表されたドピンク背景に白衣装を着たキメッキメのキャストのポスターがあまりにもBe More Chilの世界観を伝えられていなさすぎ
 ③主演ファンの取り込みに躍起すぎて、レプリカ公演であるにも関わらず輸入ミュージカルファンへの訴求ができていなかった

 主にこの3つが大きいと思う。特に③。
 ①は他作品でも急に発表することはあるので仕方がないが、BMCオタク的にはもう少し心の余裕がほしかった。っていうかマジでDEHより先にBMCが来るとは思ってなかったんだよ……
 ②については二川とWE(といくらかは日本で新規調達)での衣装を持ってきた(博多公演のバックステージツアー情報)がゆえに宣材撮影の日程と合わなかったのは仕方がないと思うが、それにしたってあの白衣装はBMCの作品の色を伝えられていなさすぎると思う。し、実際公演が始まってから見た人の感想で「ポスターと中身違くない?」という声は多く見られた。
 一番ロスが大きかったと思うのが③で、実際Twitterで「レプリカ公演なら」とチケットを買った方を少なくない数見ている。「スティーブン・ブラケット演出」とは言っていたが、今まで原型を留めない滅茶苦茶にされてしまった輸入ミュージカルばかりを見てしまっているところに加えて、②で述べたように「これBMC見てない奴が概要だけ聞いてそれっぽく作っただろ?!」としか思えないポスターを見せられているので、いくらブラケットが携わっているとはいえロクなことになっていないのではないかという気持ちと疑念のほうが個人的には山よりも高く海よりも深かった。

・レプリカ公演であることをプッシュしていなさすぎ
 個人的には主演のジョセフ中略ドリームコートでの演技の記憶が(あまり良くない方向で)鮮烈すぎたのと「本国スタッフがいても『Be More Chilを”もっとクールに”』と訳されてしまう(※6月放送の恐らく初番宣であろう「ミルベキ!」での作品解説でそう訳されていた)ならあまり期待できたものではない」、とあの悪夢のSomething Rotten!のような何かを見に行くつもりの葬式のような気分で初日を迎えたのだが、中劇場のロビーに入った途端見えるWEのThe Other Palace Theatreで見たものと全く同じ舞台に目を疑い、スベりまくりの身内ネタやサムい独自ギャグといったものの全くない、あくまで原語をリスペクトした上で日本語で表現できる最大限の訳詞と完璧な振り付けがそこにあった。早く言ってよそれ?!!?!!!!!!!!
 尤も、6月にテレビ放送していた稽古風景を取材した番組でスティーブン・ブラケット等本国スタッフがしっかりと指導している様子や一部楽曲も流れていたらしく、それを見ていれば「あぁレプリカ公演なんだな」と自ずと分かっただろうが、番組名が「薮宏太× BE MORE CHILL 〜トニー賞演出家に挑む覚悟」だったので「あぁ主演ファン向け番組だから見なくていいや」と自分はスルーしてしまった(「ミルベキ!」での「もっとクールに」を見てしまった時点で開幕前の日本BMCに対する期待値がすでにマイナスに突入してしまっていた為)。

・初週が実質プレビュー公演
 正直始まって暫くは「レプリカ公演且つ妙なローカライズもない理想的な公演」であることが嬉しすぎてあまり気にならなかったのだが、東京初週の休演日を挟んで二週目に入った途端、本当に全員のレベルが五段階ぐらい上がった。個人的には福岡公演が一番完成度高かったなと思っている(大阪公演は1回しか見れなかったが、やややり過ぎでは? と感じた)。正直東京の二週目に比べたら初日とか全員ド下手改善の余地がありまくりな出来だったな……と感じた。

・キャストの力量バランスが悪い
 正直一番心配だったのはJeremy役薮宏太とChirstine役井上小百合だったが、東京初週はともかくとして東京二週以降は本当にどちらも最低限レベル上手くなっていて安心した。ただこの二人とMr.Heere役ブラザートム(は正直完全に論外だと思っているしその旨は後述する)の三人とそれ以外のキャストの歌唱力にあまりに差があり、アンバランスだな……と感じた。
 特にずば抜けて上手かったのがJenna役ダンドイ舞莉花とMichael役加藤清史郎。この二人にはもっとデカい役をやってほしい。Brooke役もDo You Wanna Ride?のフェイクを毎回変えてきていて、ポテンシャルの高さを感じさせる。SQUIP役横山だいすけは歌も演技も文句なしだが、調子が悪いと滅茶苦茶台詞を噛んでしまうのが特徴だな……と感じた(歌は圧がやや弱くなる)。
 対してJeremy役薮宏太はジョセフ中略ドリームコートの時よりはいくらか歌声にも幅が出せるようになっていた(多分あの時のレベルのままだったら本当にキレてたと思うけど、初日時点でLGWすらも一応ギリ聴けるレベルになってたのでビックリした)。しかしながら特に演技面がほかキャストに比べるとかなり弱く、見ながら「”演技をしている”演技だな」と感じてしまう(特にお小遣いとチリポテトの下りの言い方は本当に最後までどういう演技がしたいのか謎だっった……)。ただ、Michaelを捨てるクソ男Jeremy Heereの演技だけはこっちがドン引きするほどに上手かったし、このAsshole Jeremyの演技加点で他の弱い部分をカバーできるほどだった。何なんだそのピンポイントな演技力は……。あと、音程はきっちり取れるし綺麗な歌声を出す人なんだけど代わりにパンチを効かせる歌い方が出来ていないので、根本的にJeremy Heereのキャラクターとややズレてるんだよな……と常に思っていた。これは力量というよりもそもそものキャスティングへの不満。
 Christine役井上小百合は演技面はかなり強くて(それでもChristineのエキセントリックさの調整は最後までしているようだったけれど)、ただソロ曲の音域がどれも本当にギリギリなのか、大体高音は外すか掠れてしまうのがお決まりのパターンだったので悲しいところだった。
 逆にJake役内海啓貴とChloe役ラリソン彩花の二人は、力量の高さの割に一番地味な役どころなので実力が発揮できていないのではないか、と思った。両キャラ共にストーリー上(WE演出から共感ポイントはかなり増えたが)あまり親近感を持てる立ち位置ではないし、きちんとしたソロ曲もない。特にラリソン彩花の歌はもっとしっかりした形で聞きたいな、と感じさせた。
 そして結局、Mr.Heere役ブラザートムが最後の最後まで論外だった。毎度コロコロ変わる台詞シーンの演技、神経過敏なのか怯えているのか何も考えていないのか定まらないキャラクター姿勢、独自の節を利かせすぎて本来のリズムからあまりにも外れまくり時には歌詞すら飛ばしてしまうThe Pants Song。アフタートークは大阪公演でのラスト1回分しかマトモなMCをせず、東京福岡のMCはその殆どが登壇者の弄りと唐突な自分語りに終止しアフタートークの意味すらない。あまつさえ福岡のアフタートークでRichのキャラ設定すら把握できていないことを開陳したのには恐れ入った(Richの舌っ足らずは生来のものであって”大火傷してモルヒネとか打たれちゃったから”ではない……)。っていうかアフタートークで墓穴掘りまくるMCってなんだよ。これは本当に悪意からの推測でしか無いが、自分の出るシーンしか把握していないしそもそも自身に割り当てられたキャラクターの役柄も特に考えていないのではないか? そう思わずにはいられない演技だった。「ブラザートム」としてなら是非ライブハウスなどで聴きたい歌声だとは感じたが、あくまでBe More Chillという作品を見に来ている以上「ブラザートム」は舞台上には不必要だし、最後までThe Pants Songという名曲を崩しまくった上に「ズボンを、履けェーーッッ!!」とサビでヒステリックに叫ばれるのはかなり耐え難かった。加藤Michaelが出てくるまで安堵して聴けないシーンになってしまっていたし、寧ろあれと一緒に合わせて歌わないといけない加藤が可哀想にすら思えてしまった。一体どういう経緯でこのキャスティングになったのかが知りたい。

 色々不満を言ったが、結局言いたいことは3~5年後ぐらいにフルオーディションでレプリカ演出のまま再演してくれ、ということです。

「Be More Chill日本公演を見た」への2件のフィードバック

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