東宝版RENTを見た

2020-11-07 夜
戦々恐々としながら見に行ったら予想の七倍ぐらい良くて感動しました。花村マークだったので今は平間マーク回のチケットを死にものぐるいで探しているところ。
以下、八割方マーク・コーエンの話をしています。

 Tune Up。ロジャー出てきた瞬間に服装と黒マニキュアだったので(1990年代のConnor Murphyじゃん……)とか思ってしまった。毒されています。元からロジャーはこういう感じの服装設定なのでむしろConnorが2010年代のRoger Davisというのが正しいんですが……しかも手の甲にも入れ墨あったね。このロジャー、全体的にダウナー感が凄かった。よくマークの撮影に付き合ってやってるな……あとこのロジャー役の甲斐さん、飛び抜けて身長が高くて(185cmらしい、多分ブーツの底分もあって更に嵩増しされてると思う)、他の人と並ぶと常に見下ろす感じになっててドヒャ~となりました。
 「合わないな……」「みたいだねェ~」!!! この!! 「みたいだね」じゃなくて「みたいだね”ェ”」が入るこの感じ分かりますか?! この後も散々言うんですが、このマーク・コーエンメチャメチャニヤつく。ガキっぽいと言うかなんというか、凄い幼いんですよ。後で散々言うんですが。2018来日のRoganのマークを遥かに上回る末っ子感。花村さんのちょっと甘め? の声色が余計にそう感じさせるのかな? と思うなど。あとビデオカメラが結構ゴツメのやつ(キャノンのLX-1みたいな形)で、リアルタイムで舞台のスクリーンやテレビに映像が映る演出が最後に効いてきて非常に良かったです。

 RENT。入りのマークのすっごい嫌そうな「(ブレーカーが)飛んだよ!」で確信しました。あ、これ大丈夫なやつだ。安心してみていいやつだわ。ありがとう東宝。コロナのせいで歓声上げられないのマジでフラストレーションだな。モーリーンへの電話に出るマーク、メッチャ嬉しそうで笑っちゃう。「払うもんか 払えるもんか 払ってたまるか」でどんどん敵意増してくのいいですね。いや払えや。

 You Okay Honey?~Today 4 U。エンジェルの一人称が「僕」でビックリしましたが、これはこれでいいな~と思いました。結構大人しめ? というか落ち着いた印象のあるエンジェルでした。Today 4 Uでも飛び跳ねたりはしなかったし。サンタコスのエンジェル、ウィッグがアシメで超可愛かったです。しかも大きめのケープはスカートにもなるという天才衣装。ヤバいな。フィギュアとか欲しい。
 コリンズがロジャーに「お前はストーリでも飲んでろ!」っていう直前、マークになんか白くて細長い物体を渡してたんですけどあれはやっぱジョイントなんだろうか。見た目はタバコだけど直前にボックスでマルボロ渡してるし。やっぱジョイントなのかな……ラストの放浪から帰ってきた時だったかあるいはSanta Feのあたりだったかでも同じ物体をマークがコリンズから貰ってたんですが……えっ? マーク・コーエンも大麻吸うんですか? ヒヘェ それはそれとしてコリンズはメチャメチャパパ感がありました。安心感がすごい。コリンズの授業普通に受けてみたいよな……

 You’ll See。ベニー役の人の雰囲気と声色、体の使い方メチャメチャ好み。どうしても出番が少ないのが残念なところ……。ここのベニーへのマークの台詞が全体的にね、こう、ブルドッグにキャンキャン吠えるチワワみたいな印象だったんですよね。キレのある不満というか、ダラッとぶーたれてるとか静かに怒ってるとかじゃなくて、ホントに活きの良い若者がガッついていってるような感じです。

 Tango:Maureen。「言ってみて、何でも」「テスト1,2,3」「ッヘハハwwwwそれいがwwwwいwwwwッヒヒ」 ?!?!?!?! え何?!?!?! 煽りマスターか?!?! ヤバい。最初の「ッハハwwww」がホントにガチ笑いだったしそれ以降も若干(ジョアンヌに対する)嘲笑ダダ漏れで何だこのクソガキ(ガキではない)?! と思いながらマーク・コーエンの概念オタクは混乱し始めた。こんなマーク・コーエンは初めてである。確かにラストの「プーキー」で(お~っとぉ??)みたいな笑いをするのは大体のマーク・コーエンがする動作だが、ここまで初手でジョアンヌに対してプギャった(若干表現が古いが本当に一番これがしっくり当てはまる)笑いをするマーク・コーエンは花村マークが(少なくとも私にとっては)初めてだった。なんてことだ。
 経験者ヅラするマーク、多分劇中一番生き生きしてた。「ひどい! 浮気したぁ!」のところ、やっぱ駄々っ子が出てるんですね……ちなみに「プーキー」のときは「wwwwwwッヘッヘッヘアッwwwwハハッwww」って感じで全然笑いを抑えようとする気配すら見受けられなかった。お前そういうとこやぞ!!

 Life Support。スティーブ役の人メッチャカッコいいな……と思って見終わった後に役者さん調べたら元女性ということで死ぬほどびっくりした。超かっこいい……

 Out Tonight~Another Day。ミミがえらい歌がうまい。聞いててめちゃくちゃ気持ちが良かった。開放感に満ちあふれていた……「Meow」可愛すぎでしょ?! ここのロジャーはあまりにどっちつかずすぎるダメ男ムーブで正直めんどくせ~なこのギタリスト……と思ってたんですけど、なんかもう最近は一周回って言い訳がましすぎて可愛らしく思えてきましたね。あと(ロジャーの人も勿論上手かったのですが)若干ミミの歌が上手すぎてロジャーが食われてた感も相まって、年上の癖に全然駆け引き出来てないダメ男さがより強化されてた気がしました。

 On The Street~Santa Fe。浮浪者の女性に詰められた時のマーク、完全に”無”になってましたね。コリンズの歌い方、独特の癖があって聞いてて心地良い。曲調的にもこのSanta Feが一番合ってたと思う。やっぱパパだよな……

 I’ll Cover You。「俺達って……」「ハニー、ずっと一緒よ」グゥッ………

 Christmas Bells。ホントこの曲のホームレス達が大好き。警官はちょっと位置的にどこにいるのか分かりづらかった。やっぱこれラストはどうやったって聞き取れないよ…

 Over The Moon。”Leap of faith”は横でジョアンヌが歌う形だった。赤髪のモーリーンいいな~! でも「ジョアンヌ、ステージはどっち?!」で歓声上げられないのやだよ~~!!! ムームー言えないのはもっとやだよ~~~ッッッ!!!!! 拍手or物販の厚紙ボードを折ってハリセン上にして叩くことで代替してましたが、なんだかな~~!!!

 La Vie Boheme。「駄目です今夜は予約でいっぱいさーわーぐーのはやめてください!」「何?」「お帰りください! ああちょっと!  駄目です大事なお客様が!」「じゃあ何だよ僕達は?」「注文しないで一晩中!」「嘘だ! 嘘さ! こないだ頼んだよ紅茶!」「払ってないだろ」「そうでした……」もうチケット代ここだけでお釣りが来ますわ。「嘘だ~嘘さ~」の台詞、全部スタッカートがついててメチャメチャ子供じみていた。可愛いね。「エビータ!」でエンジェルがすっごい顔して思わず笑っちゃってたのもかわいい。「またムゼッタのワルツかぁ~(笑)」
 ここのウェイター、モブだけどホント大好きなんですよ。最初は右往左往してるのに中盤辺りからボヘミアン達に便乗して、ベニーの台詞でハッとして逃げ出す、という感じでここだけのモブの割にはキャラが濃くて。演者の方は多分今回スティーブと兼役だと思う。ここのウェイター見ててすごくいい役者さんだなぁと思って覚えたので。

 Happy New Year~Take Me Or Leave Me。モーリーンの「いつの間に(仲良くなったの?)……」、困惑とも嫉妬ともつかない感じが出ててとても可愛かった。アレクシーが「マークちゃん(Marky)」っていうのも彼女のふざけてるというかマークをあくまで使える(代替可能な)人材として捉えてる感じが出てて良いな~と思いました。
 ベニーとロジャーの口論のところ、カメラ持ってるマークを互いにぐるぐる回してホントに“カメラ”として使ってるところに何故か興奮してしまった。「乾杯しよう、犬に!」「そう、ベニーに!」嫌味ド直球すぎて笑っちゃうよ。お前ら友達だろ! もうちょっと優しくしたれ!!
 「僕? 僕はここ。どこにもいない」。かわいいね。ジョアンヌの歌詞が好きだった。

 Voice Mail #4~Contact。魂を売るマーク・コーエン、私が一番好きな概念なんですけど、この回のマークは「電話線をぐるっと首に一周させて絞める」という形でした。ありがとうございます最高です……。
 お葬式のシーン、「彼女は」とマークが言い直すときのエンジェル、振り返りはしなかったけど歩みを止めてましたね。あとミミがべしょべしょに泣いてるのは分かるんですけどマークも顔ぐっしゃぐしゃにして泣いてたんですよね。かわいいね。

 Halloween。「詩的だな……救いようがない!」ここホント良かった。「救いようがない!」の言い方が本当に嫌そうで、現実が思い通りにならないフラストレーション溜まりまくってる感じがよく出てました。「どうして僕は傍観者なのか フィルムの中に僕はいない」それは君がこの舞台において舞台と観客をつなぐカメラとしての役割しか与えられていないからだよ。

 Goodbye Love。「皆やめろよ!」「おい!」「頭冷やせよ おい!」ここも同上で、皆が喧嘩しちゃうのがホントに嫌なんだろうな~って感じの……なんていうんですかね、全然発言力のない奴が必死に声あげて制止しようとしてるんだけど全く無駄、みたいな感じがしたんですよね……その直後のコリンズが鶴の一声を上げるだけに尚更。あとここの「頭冷やせよ おい!」をベニーと一緒に言うってあたり、この二人ってもともと同じようなポジションだったんだろうな~となんとなく思っちゃいますね。
 「おい! 今まで散々失望させられてきたの今度はお前が同じことするのか!「お前は仲間がほしいくせに結局一人でカメラ回してるだけじゃないか!」ここのマークの最初の「おい!」もまたまた同上の空気を感じました。割と殴る寸前の空気出してたよね。推しのAngst大好き人間。ロジャーの「電話する」には無視してました。頭冷やせよ。
 「金払ったら飲みに行こうぜ!」「ごめん、僕は会議があって…」「会議ィ? はっ、行こうぜ」ここのベニーの絡み、かつてのアベニューBの空気を感じられてホント好き。

 What You Own。いや最高だった。訳詞も演出も何もかも。冒頭のバズラインの「ったく何やってんだ?!」もまたまた同上ですね。花村マーク、フラストレーション感じてるとこの台詞は全部濁点付きそうな勢いで叫んでるんですけどこれがもうホント駄々っ子じみててすごく可愛い。
 曲自体の演出は車輪付きの二段ワゴン(?)の上にロジャー、下にマークが立つ形で、アンサンブルの人が二人がかりで黒子としてそのワゴンをぐるぐる回して背景の縦長のスクリーンに90年代の資料映像がバーッと流れる、というものだったんですけど、これがもう世間の荒波に揉まれながら自分自身を見つける二人、って感じがして死にました。「アレクシー! マークです 偽善者と呼ばれてもいい 僕は撮りたい映画を撮る! 辞めた!」可愛い~~!!  「僕は撮りたい~」からもう懇親の力で叫んでる。ほんとにかわいい。語数とテンポ的にここの台詞部分がちょっと早口めになってるのもすごい可愛い。”I escape and ape content“と”For once the shadows gave way to light“の部分だけ聞き取れなかったので次見に行く時に聞き取れると良いな……

 Finale。マークが持ってるカメラで下手から順番に(アンサンブル含めて)一人3秒ぐらいトメ入れながら皆を順番に写していって、それをリアルタイムで背後のスクリーンに映すっていう演出、すごい良かった。みんな笑顔でハッピーだね……

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