Something Rotten!に日本公演なんてなかったよ。
とりあえず、全体としては「曲はほぼ原語通りの訳で、それ以外の台詞部分はこれでもかと言うぐらいの中の人ネタと演劇ネタ」という感じでした。あと私は中の人は殆どわからないので恐らくネタ拾いきれてないです。
2018-12-23 夜公演
ウェルカムトゥルネサンス
「Welcome to the Renaissance」のtheが消えたのでリズムが「ウェルカムトゥル、ネーサンス!」で崩れてるのだけがやたらと気になってしまった……っていうかコッドピース消えてない?! 消えてるね?! コッドピース……コッドピース消えた!!!! クソッ!!!! コッドピース…………
「大好き」連呼。分かる。そうなるよな。この時点で「あ、結構直訳で来てるんだな」と一先ずオリジナル演出過激派は一安心しました。ロビン、BWだとハゲでデブの髭面が女装してるっていう存在だけで笑えるやつだったんですがフツーにこれ自分が男だったら抱けるな……と思うぐらいにドレス姿が似合う役者さんだった。ボトム兄弟わっかいな~~! というかシャイロックも最初シャイロックと認識できなかったんですよね。クラッパム卿はだいぶキャラが強くなったな……「届け物はなんですか? 見つけにくいものですか?」
嫌いだシェイクスピア
ちょっとオケ早足だったのとニック役のマイク音量が小さかったので後半ちょっと聞きにくかったな、という印象。というか全体的に音圧弱かった気がする。開場が広いからか? 「Shmakespeare!」を「シェイクソピア」と訳したのは成程と思った。「Don’t hate!」は「やめよう?!」に。「ウンコは新しいことじゃない!」とかシェイクスピアが元々ニックの劇団にいて云々、は初めて聞いた下りだったけど追加なのかな? わからん。シャイロックメチャクチャ若え!! 好み!! 「母さん……母さん……」謎の平泉成ネタ。このあたりから演出のクセが強くなってくる。
右腕になる
「私、男役出来るわよ! なんだったらトップになれる。オスカール! 敵は近いぞーッ! ダンダンダンダーン!」「まだ歌うんだ?!」これもうビーじゃなくて瀬奈じゅんじゃん?! なぁ?! 「やっぱり上手い」とかもう色々出てるぞ。
普通に「右腕にして」「でもお前は男じゃないか!」はとくに捻らずそのままなのね。歌がうまい……ただオリジナルのラストが「Right hand……man(超低音)」が「右腕になる……ぜ!」に変わってたのちょっと悲しかった。
嫌いだシェイクスピア(リプライズ)
Future Holdsどうなるんだ?とワクワクしてたんですが「もしも未来が見れたら」と若干強引な感じで占いに行くって感じですね。「コゴエソウナキセツニキミハナニヲドーコーイウノ……」そうかこれもTMRか……。成程な……。
ミュージカル
ノストラダムス登場。やったらイケボやなと思ったら声優さんもやってる人なのね。プロフェッショナル……仕事の流儀……成程ね……「屋根がある! ふわふわの赤い椅子! 女子トイレの前に行列が出来てるぞ! 充実の物販! リピーターチケット! ワイン高ッ! 360度全部舞台がある! 何だこれは! ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……その点こっちとこっちしかない舞台は楽だな!!」「そんな先じゃなくていい」IHIステージアラウンド東京のことですね分かります。
AvenueQのパペットがちゃんとあって私は安心しました。かなり瀬奈じゅんネタとかは大爆笑だったのにこちらは何故か客席の反応薄かったな……RENTとAnnieの反応はまだあったけどそれ以外は微妙だったか。ただBW版には多分なかったフレーズが追加されててその反応がまーあ凄かった。何だったんだろうアレ……気になる……予定調和のショーストップ。好きだよそういうの。
ペスト
ポーシャ登場。ジェレマイアの滑舌が若干良くなくて耳が滑ってしまった……。あと淫語めかしワードを言った後にすぐ訂正してしまうのがうーん、良いのか悪いのか。そしてやっぱクラッパム卿がすごいなんだろう、うーん……いい意味でも悪い意味でもミュージカルっぽくないんだよなコメディドラマのツッコミだよねこれね。「本田美奈子さんバージョンで」ってもう隠さなくなってきたね? クラッパム卿が去った後、死神役の一人がロビンのドレスをやたらめったらバシバシしてたのが可愛かった。
男装ビー。「不器用ですから」この後出てきたときとかもう完全にカツラも高倉健だったよな?
それが好き
ポーシャ、限界クソオタク臭が凄く出てて良かった。歌は他のメンツに比べると……ってところはあるけど演じられるキャラの幅がかなり広いなと思った。っていうかナイジェルメッッッチャクチャ歌上手くない?! ナイジェルの台詞すごく聞き取りやすいしすごい……向いてる……。
で……あの…………あの、シェイクスピアの使い……あの………それHOT LIMITスーツですよね??? あの……あの、え? ツッコミとかそういうのは……無い? 無いの?!
ウィルパワー
HOT LIMITスーツに何のツッコミもないままライブ始まっちゃったよ!!!!!!! 物販で「ウィルパワーペン」と称して簡易的なペンラが売ってたんですが、1階席はあんまり使ってる人居なかったですね……怒涛のシェイクスピア引用祭りはパンフによると白水社の小田島雄志訳からのよう。「Now is the」は普通にそのまま英語で。しかしまあ胸元ユルッユルやな西川……いやシェイクスピア……と思ったらもう自分からはだけて片乳首出てるしハワワとなったんですが最終的に両乳首全開にしちゃうし舞台上ではロウソクという名のペンラで腹ペチペチされてるし、一瞬私は一体何を見させられているんだ……と宇宙に意識を飛ばしてしまった。
「招待客限定だぞ? ……ま、その招待状を持った人間がここにいるがな」シャイロック好き~……やっぱり年齢設定が違うとだいぶ印象変わるな。
西……じゃない、シェイクスピア登場。「大きくなったね」明らかに西川……じゃない、シェイクスピアが小さいからの発言だよなこれはな。いやしかしホントちっちゃいな……酔っ払ったポーシャ可愛い。しかしまあHOT LIMITスーツまだ許してねえからな、と思ったらパーティーでしれっと受付役として出てくるし。いくら後ろにいるからってもうそのスーツが一部分だけでも見えたらそこにしか目行かなくなるんだよ……!!
題材どうしよう~ってなって再びニックがノストラダムスを訪れるシーン。舞台の後ろを走り去る3匹のネコのぬいぐるみラジコン!「キャット!」「猫のミュージカル?!」「いやただ通り過ぎたから言っただけで……」「人間が猫になれるわけないだろましてライオンなんて! モーツァルトは?」「誰それ」「いやしらん。でも見えるんだよな……二人」「なんで二人? 兄弟?」「いや……でも一人は黄泉の帝王に……もうひとりはジャージー……牛乳……」情 報 量 が 多 す ぎ ま す
ボトムがトップに立つ
タップは意外と出来てた、んだけど……ラップはもうしょうがないよね……もう原語のあの感じは英語でないと流石に出ないよな。「オムレット!(テテーン)」の爽快感が完全にお亡くなりになっていた。悲しい。グリコのアレみたいな感じになってしまっている。集団タップは普通に気持ちよかった。
幕間。「ミュージカルは休憩が20分あるらしいぞ!」ノストラダムスのアナウンス。2幕始まりはシェイクスピアのアナウンス。一瞬ニコニコ動画の時報っぽさを感じてしまった。「休憩中に命を吹き込んだその携帯電話を今一度安らかに眠らせて……」上手い。良い。
ウェルカムトゥルネサンス(リプライズ)
やっぱり「ウェルカムトゥル、ネーサンス!」が気になる。
天才は辛いぜ
多分全曲中で一番耳に心地良い歌詞になってる曲だったな、という感じ。「Wrong!」後の葛藤は自分が思ってたよりも柔らかくなってたなぁ。あと部下が入ってくるところの羽ペンとの会話がだいぶ長かった。「オマエハジブンガダレカワカッテイルノカ?(超裏声)」西川兄貴……じゃない、シェイクスピア…………こんな声出せるのか……ちなみにこの部下はHOT LIMITではない。そしてラストで突然の消臭力。えっなに……急すぎる……怖い……なんだこれは……
スカーだの歌って踊るシスターだの雨の中傘さして踊るだの……劇場に入れて大興奮のシャイロック可愛すぎるな。BWのじいちゃんシャイロックも可愛かった。
たまご!
分かっちゃいたけどパンフレットで見るとメチャクチャシュールで笑う。「ねぇ、バイオリン弾きはなんで屋根に登ってんの?」「煙突掃除と友達なんだよ。んで煙突掃除は空飛ぶ家政婦と友達」「やっぱり猫だ! 歌う猫!」「あの馬鹿は誰だ!」
トビーベルチ、11歳で髭面の役者志願ってだいぶヤバくない?! シェイクスピア無理す…………いやもうこれ西川だよ。これただの西川。西川の裏声凄えな……ホルモンバランスが変わって髭もこんなになっちゃって、とか無理がありすぎるぞ……?! 「こないだだって夜中の3時に電話があって……お兄ちゃんはトレーナーさんじゃありません!!!」「歌はそこそこ歌えます!!!!!」西川!!!!!!!!!!!
未来が見えた
「モンタギュー!」「キャピュレット!」「モンタギュー!」「キャピュレット!」もうただのオタクカップルだよ。末永く幸せに爆発してくれ。明らかにポーシャの声が出るようになってる。「それが好き」の時あんまり本調子じゃなかったよね。未来が見えてからの清教徒の衣装、柄物だからかものっそい派手だな……
ナイジェルのテーマ
これ、OBCにはないけどBW版にも普通にあるみたいね。To Thine Own Selfのメインメロディ。やっぱ上手いなナイジェル……そしてロビン女役上手いな……
誠であれ
「真」かと思ったら誠だった。「俺は満席じゃないとやらない!」「ジュリーか!!」すっげえ時事ネタぶっ込んできた!! ラストのニックの「誠であれ!」の歌い上げがメチャクチャキレイだった。
西川演ずる怪しいショタとイケボナイジェル。面白すぎる……そして捌けて変装取って秒で舞い戻ってくる西川(通常)。
右腕になる(リプライズ)
樽担いで「ウイスキーよ!」って言うビーの友人メチャメチャ好き。強そう。でも原語みたいに殆ど歌詞変わってないっていうギミックは使ってなかったかな? だいぶ変わってた気がする。
サムシングロッテン
も~~~~ハチャメチャですよ。元々ハチャメチャなのにもうそこへさらに調味料かけまくりよ。「ティモンとプンバァはどこだ!」「字が小さすぎて読めなァァアアアアアい!!!」「そんなときはこの丈夫そうな眼鏡をどうぞ」マジであれハズキルーペじゃなかった? あと赤いブーツを履いたオカマとか……ガストンとか……ランプの精とか……エメラルドシティのおもてなし……お腹いっぱいだよ……
オムレット作ろう
タップが良かった。大満足。好き。オムレツが踊り狂うシーン見てたらちょっと「何で私はこんなものに金を出して見ているんだ……?」などという考えが頭をよぎってしまった。シェイクスピアの暴露シーンは西川のショタ声と地声とのギャップがあってちょっとゾクッとした。上手いこと使ったなあ……
誠であれ(リプライズ)
「頭が既に空っぽなので」斬首の必要はない、という感じで纏めてきましたね。まぁそれぐらいしかやりようないよな……「お父さんさよなら!」「えっ」好き。
ウェルカムトゥアメリカ
特になし。シャイロックの「心温まるライフストーリー」のラがメチャクチャRの音だった。「ハムレット! 惜しかったなあ~!」
あとはやっぱりバンドのみなさんが可愛いんだな……カーテンコール後のアレンジ、コロコロ拍が変わるので手拍子難易度★★★★★って感じだったけどとても楽しかった……良い……
ローカライズ上で追加した要素、結構怒涛の量なのにSomething Rotten!自体の枠はきちんと守ったまま構成してるのはただただすごいなと。力を感じる。ただ個人的にはミュージカルに対して私は役者を代替しても通じるような「概念」を求めているので、このSomething Rotten!に関してはこの配役を一人でも変えたら成立しなくなってしまうネタがあまりにも多いが故にやっぱり、うーん……ホームランではなかったなという感じ。日本演劇界全く知らないんでアレなんですけど役者主体なところ結構あるのかな? 演出のクセというのもあるんだろうけど。少なくともこのSR!はミュージカル知識だけじゃなくて中身の方の知識もないと200%楽しむのは難しそうだなという感じ(というか会場の空気的にも確実に役者目当てが多かったとは思う)。